圧倒的孤独感と出会って

人は35歳くらいになると、それまでの自分の生き方に疑問を感じ、色々悩み始めるという。
分析心理学の第一人者ユングは、それを「中年クライシス」と名付けたそうだが、36歳のころ私にもそれがやってきた。

その日も、いつもの朝と変わらず、当時勤めていた東京の保育園へ向かうため湘南新宿ラインに乗っていた。

 

目次

圧倒的孤独感との出会い

朝8時頃の電車は満員で、乗客はスマホを眺めたり、目を瞑っていたりした。

そんな中で、私だけ一人、突然泣き始めたのだ。

特段、悲しいことがあったわけでもないのに、無性に寂しくなって涙が止まらなかった。

幸い声は出なかったが、さすがに私の隣に立っている人は私の涙に気づいている。

私は黙って涙をぬぐいながら、20分ほど泣き続けやっと電車を降りた。

改札を出る頃には、気持ちも落ち着き、いつも通り仕事もできた。

しかし、帰りの電車も同じだった。

そんな日が毎日続いた。

 

毎日が順調でも

その頃は、毎日がとても順調だった。

保育園の事務長職にも慣れ、上司にも仲間にも恵まれていた。中間管理職の面白さに目覚めて、定年までこの法人で働こうと思っていた。

32歳の頃はうつ病で心療内科に通っていたが、通院は一年半で終わり、しばらく気分の浮き沈みはあったものの毎年少しずつ落ち着くようになった。気分に比例するように、仕事も生活も安定して、居心地もよくなっていた。

しかし、そんな毎日でも突然激しい孤独感に襲われ、涙が止まらなくなってしまう。

その理由は何となく分かっていた。

 

何となく分かっていたからこそ、孤独感の理由と簡単に向き合えなかった。
なぜなら、孤独感を解消するには、今まで築き上げた生活を一変させなければならないと、自分のなかのどこかで分かっていたからだ。

だから、涙も孤独感もしばらく放置していた。しかしそのあいだも胸が苦しく、坂道を転がるように、自分の体がどこかへ行ってしまいそうだった。

そんなある日の帰り道、すぐに保育園に息子を迎えに行く気になれず、乗り換え駅の横浜にある有隣堂へ行った。

 

ワクワクを思い出そう

そして、まっすぐに私の足は「自己啓発コーナー」へ向かっていった。

たくさんの本を眺めていると、そこに『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』があった。

Amazonの「あなたへのおすすめ」で知ってから、気になっていた本だ。

『ソース』を手に取り、パラパラめくると、そこには行き詰まった人生を取り戻す方法が書かれていた。

「忘れかけていた、人生のワクワクを思い出そう」

「ワクワクを全て実行することで、人生は劇的に変化する」

「自発的にあなたが変われば、人生を変える出会いも仕事も自然と訪れる」

そのための方法を、ワクワクリストの作成の仕方から、心の持ち方まで、著者の経験とソースプログラムを経験した受講生たちの経歴と合わせて詳しく書かれていた。
文体も、著者は教育学の博士号を取得しているせいか、常に読者を勇気づけ気分のよい毎日を送れるよう励ましてくれる印象だった。

 

私は瞬間的に、この本が今の問題をきっと解決させてくれるだろうと信じられた。

毎日泣くことも孤独感に苛まれるのも、私が自分のやりたいことをやってこなかった人生に対する内側からの悲鳴だった。

そして以前Amazonで見たこの本の記憶をどこかかから引っ張り出し、意識なのか無意識なのか分からないが、私の抱える問題と結びつけた。

そう心のどこかで分かっていたから、何かに呼ばれるように本屋を訪れたのだ。

実際、『ソース』が本屋にあってラッキーだった。

その幸運も、自分の推察を後押ししている気がした。

「この本の通りに、やってみよう。そして人生を変えてみよう」

私は自分の直感を信じることにし、『ソース』を購入すると、息子を迎えにいくため駅へ向かった。

 

自己改革を始めて

それから4年。

私は転職し、子どもの頃から憧れだった文筆業に携わっている。

この5年の間には、ワクワクを叶えるためセスナ機に乗ってグレートバリアリーフを眺めたり、格安のクルーズ旅行へも行ったりした。

別居していた夫とも和解し、平穏な生活を送っている。

もちろん順調にここまで来れたわけではない。

長年、しみついた考え方や行動のクセを変えることは難しく、何度も「もうダメだ」と絶望したり、二度目のうつ症状が出たり紆余曲折はあった。しかし今はあの頃悩まされていた涙も孤独感もかなり薄らいでいる。

『ソース』を信じて行動したおかげだと思っている。

 

遅咲きの強さ

このブログでは、『ソース』を読みながら、自己抑圧の強かった私がどのように自分の考え方を変えたり、行動を変えたりしたか綴ろうと思っている。

もちろん、今の私はまだ夢の序章を叶えているにすぎない。

文筆業も月に数万円の収入しかないし、文筆で叶えたい夢がたくさんある。夢を叶えていく過程もここに書いていきたいと思っている。

「生まれ変わるぐらいの気概がなければ、人生はそうそう変えられない」

私が尊敬する精神科医の先生も言っていた。

私もそのつもりで、もちろん自分のペースを保ちながら、人生を喜ばしいものにしていきたい。

 

アラフォーになって夢を叶えようとすると、青春を台無しにしてきた過去と向き合う。

長い間、それは自分のコンプレックスであった。しかし今は、逆にそれを私の強みにしようと思っている。

ブログの副題も『アラフォーから夢を叶える方法』だ。

もし、ひどく落ち込んでいた頃の私がこのブログを読んだら、ワクワクできるように。
そんなブログにしたいと思っている。

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